ライブに出演して汗をかくのには理由があった

ライブハウスのステージでギターを演奏すると、普段はかかないような汗をかきませんか?
シャツがぐっしょり濡れてしまう全身の汗はもちろん、特に脇の下や手にたくさんの汗をかくと思います。
ライブに出演したときの異常な汗。これにはちゃんと理由があったのです。
ライブハウスは汗をかきやすい環境

人間が汗をかくことを「発汗」といいますが、この発汗には3つの種類があります。
発汗の種類
1.温熱性発汗
2.精神性発汗
3.味覚性発汗
温熱性発汗は、気温が高い夏や運動したときなど、体が暑く感じたときにかく汗をいいます。人間が持つ生理反応で、誰もが経験しているわかりやすい汗ですね。
2つ目の精神性発汗は緊張やストレス、焦りや不安などを感じたとき、手足や脇の下、顔など局所的にかく汗のこと。会議やプレゼン、面接、初対面の人と会ったときなどに、大量の汗をかいてしまいます。
最後の味覚性発汗は、熱いものや極端に辛いものを食べたときにかく汗をいいます。
この中で、ライブに出演してかく汗は、温熱性発汗と精神性発汗になります。
ライブハウスというのは以下のような理由で、温熱性発汗が起こりやすい場所と言えるでしょう。
・防音のため密閉された空間であり熱気がこもりやすい
・アンプやPA機器、照明など熱源が多い
・お客さんからたくさんの熱気が発せられる
もちろんクーラーは効いていますが、それでもステージ上はとても暑いものです。天井が低いライブハウスではスポットライトが近いのでなおさら。
つまりただでさえ温度が高く、温熱性発汗が起こりやすい場所なのです。
そして、人前で演奏するというのは極度の緊張状態ですから、当然「精神性発汗」も起こりやすいと言えます。
精神性発汗は汗をかく場所が限定されていることが多く、先ほど書いたように手足、脇の下、顔が該当します。
特に演奏に影響する手、汗染みが恥ずかしい脇汗は、ステージに上がる者としては悩まされますよね。
このようにライブハウスというのは温熱性発汗に精神性発汗がくわわるという、とても汗をかきやすい環境と言えるわけです。
ライブで汗をかくのが嫌だからと全身の汗を止めるのはNG
演奏に集中したいから、汗だくになるのは嫌だな。よし、全身に制汗剤をつけちゃおう♪
こう思われるかもしれませんが、全身に汗対策をするのはとても危険です。
先ほど温熱性発汗のところで、発汗は「人間が持つ生理反応」と書きました。汗というのは人間が生存するために必要なものであり、もし汗をかかなかったら体温が上がりすぎてとても危険な状況になります。
特にライブハウスは室温が上がりやすい空間なので、全身に制汗剤をつけると熱中症の可能性が。
せっかくライブに出演できたのに、演奏途中で熱中症で倒れてしまっては元も子もありません。
汗対策は手や脇など一部分のみとし、その他の汗はなるべく受け入れるようにしましょう。
脇汗の汗染みはたしかに恥ずかしいですが、その他の汗は見方によっては魅力的にうつるものです。
カッコよく演奏をキメて、素敵な汗をかいてくださいね。